Peko's Gun Box
The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata)
Front page Gun box Goods From Magazine Others Links Contact
M1917 Bayonet


M97ショットガンとM1917バヨネット
 M1917バヨネット
 久しぶりのグッズの紹介ですが、M97ショットガンを紹介する時に一緒に紹介しようと思っていたのですけど調べて書いていくうちにだんだん文章が長くなってしまってこのバヨネットだけで別に紹介することにしました。 
 M1917バヨネットはM1917ライフル用のバヨネットなのですが、トレンチガンが採用された時、特にショットガン用にバヨネットをデザインされませんでした。M1917バヨネットはすでにレミントン社とウィンチェスター社で生産されていましたし、ショットガン用に問題なく使用できるからでした。


着剣したところ!
 このM1917バヨネットには1913と刻印があります。 M1917なのに何で1913? と、ちょっと疑問に思ったので調べてみました。 すると、このバヨネットにはなかなか面白い経緯があることがわかりました。 これを語るにはまずバヨネットの付くライフルの話からしなければなりません。 このバヨネットはもともとイギリス軍のために作られたものだったのです。
 ブリティッシュ・ライフル303インチ・パターン14
 20世紀初頭、世界各地に植民地を持っていた英国は各地の反乱軍と戦っていましたが、19世紀の終わりに出現したモーゼルの98ライフルと7mm x 57の弾に悩まされていました。 英軍のエンフィールド・ライフルは7.7mm x 56という弾を使いますがモーゼルの7mmより低伸性に劣り、モーゼルの方が遠射性能に優れていたからです。 そこで英軍はエンフィールド・ライフルに変わる小口径ライフルのトライアルを1913年から始めたのです。 エンフィールドからも試作ライフルと小口径弾薬が出されたのですが、その翌年の1914年に第1次世界大戦が始まってしまい、英軍はトライアルどころではなくなってしまったのです。 せっかく完成している新ライフルを生産しても弾薬が違うので混乱を招くだけなので英軍はそのライフルをいまある7.7mm口径に変更して生産することを決めました。 それがライフル・パターン14(パターン1914)と言われる物です。(小口径のほうはパターン1913) しかし今あるエンフィールドライフルの生産ラインは戦争のためフル稼働しているのでアメリカの銃器会社三社(レミントン、ウィンチェスター、エディーストーン)に発注したのでした。 もちろんバヨネットもレミントンとウィンチェスターで作られたのです。 このバヨネットは英軍のパターン1907バヨネットとほとんど同じもので正式名はパターン1913バヨネットとなります。 1916年から英軍に納入の始まったライフル・パターン14ですが、エンフィールド・ライフルの生産が追いつき、1916年の終わりにこの契約はキャンセルになってしまいました。 しかし、1917年からアメリカも参戦し、当時の正式ライフルであったスプリングフィールド1903ライフルが足らないので民間の銃器会社に生産させようとしたのですが時間がかかりすぎるため、ライフル・パターン14の生産ラインがあるにもかかわらず稼動していなかった3社に弾薬をスプリングフィールド30−06に変更してM1917ライフルとして正式採用して生産したのでした。


1913の刻印


U.S.の刻印
 すでに英軍向けとして多数製造され在庫していたパターン1913バヨネットは、英軍のプルーフ・マークを斜線で消してそのそばにU.S.の刻印が入れられてアメリカ軍に納入されたのでした。 ここにあるバヨネットはそういう経緯だったのですね。
 1917年から製造されたバヨネットには1917の刻印が入ります。 これらのM1917バヨネットは、第1次大戦が終わる1919年までアメリカ軍に納入されました。 第1次大戦後、民間用にウィンチェスター社は軍用タイプトレンチガンを発売し(U.S.のマークなし)、このM1917バヨネットもまた1920年から1930年初頭まで製造しされセットで販売したそうです。 そのバヨネットにもU.S.の刻印は入っていないということです。
 その後、第2次大戦で採用されたウィンチェスターM12トレンチガンにもこの第1次大戦のM1917バヨネットがオーバーホールされパーカーライジングをかけられて一緒に支給されました。 M1917バヨネットはベトナム戦争が始まるまでの50年間、唯一のアメリカ軍の軍用ショットガン用バヨネットだったのです。


木のグリップに皮のスカバード


黒のプラ・グリップにグラスファイバーのスカバード
 ベトナム戦争が始まった1960年代にM1917バヨネットは、ショットガン用にオハイオ州のGeneral Cutlery of Fremont社とカナダのCanadian Arsenals Limited社で再生産されました。  このM1917は、グリップが黒のプラスチック製のチェッカーでつばにあたるパーツが2本のロールピンで止められています。 スカバードもオリジナルはグリーンの皮製ですが、これはその後のバヨネットと同じくグリーンのグラスファイバー製になっています。 ブレードの品質もオリジナルに比べると少し落ちるようです。 

 皆さん、コレクションする時は気をつけましょうね! と言ってもこの長いブレードは日本ではダメですね!


       参考サイト http://www.usmilitaryknives.com/bayo_points_10.htm
       参考文献  ガン誌 1997年4月号

             Gun Boxのページ / Winchester M97 Shotgun

                               Special thanks to : Craft Apple Works


                                                     5/6/2007
Guest Bookに書き込む             メールを送る         Goods トップに戻る
Peko's Gun Box
The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata)
Front page Gun box Goods From Magazine Others Links Contact
(C) 2006-2007 Peko's Gun Box All Rights Reserved