Peko's Gun Box
The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata)
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 SIG P210-1 9mm
 スイス軍用拳銃
 今回のお題はSIG P210! 以前からずっと紹介したかったガンです。 と言っても皆さんよくご存じのガンですのでいまさらという感じですけど少しだけお付き合いください。


SIG P210−1


右側面です。
 このガン、古くからのガンマニア(死語?)であればMGCの初めてのプラ製ブローバックで登場したガンとして知っている方も多いと思います。 モデルガンの歴史上、重要なモデルでしたが、その軽さゆえモデルガンから離れてしまったマニアの方も多かったとか? しかしその値段の安さから初めてブローバックなる物を撃てたという方もいるのではないでしょうか? 何を隠そうこの私も初めてブローバックするモデルガンを撃ったのはこのモデルなのでした! それも友人のやつ!(爆) 中田製主要金属モデルガンが¥3800のころ、MGCのGM1やSW44は¥10000もしていたので、いわゆるスタンダードモデルなる自分でスライドを引いて排莢させるモデルしか手にできなかったのです。


¥4900は安かった?
 エアガン世代のマニアでもイチロー氏がCZ75と並んでSIG P210を一番美しいガンとして紹介したので皆さんよくご存じだと思います。  P210には現在に至るまでいくつかのバリエーションがあります。 それを簡単に紹介してみます。
 M1935A と SP44/8−1
元となったフレンチM1935A
 SIG P210はフレンチM1935Aが元になったことが知られています。 最初のプロトタイプはSP44/8−1と呼ばれ、その数字が示す通り1944年に開発された8発マガジンに入るモデルで、見た目はフレンチM1935Aにそっくりです。 と言うかほとんどコピーですね。 見た目だけではなくトリガーの構造やハンマー部分がユニット化されていて取り出せる所も同じで、それはP210にもそのまま引き継がれています。 シアーなどのデザインはほとんど変わっていません。 中田のフレンチを持っていらっしゃる方はご存知かと思いますがM1935Aにはローディング・インジケーターが付いているのですが、それもそのまま引き継がれています。 それはP210−3やP210−4にも引き継がれていてその構造自体は全く同じです。 残念ながら中田のフレンチはメカのデザインが実物とは少し違うようですけどね。 
SP44/8−1
 フレンチM1935Aにはバレルリンクが2つ付いているのですが、それもコピーされています。 しかしこのリンクが2つ付いている試作のSP44/8−1は最初の10丁だけで、その後はブローニング・タイプのショートリコイルになったそうです。 M1935Aにあるマガジン・セフティーもコピーされています。


バレルリンクがダブルなのです!
 SP44/8-4
SP44/8−4
 このモデルになるとかなりP210に近くなっています。 しかしマガジンキャッチはトリガーガードの付け根にあり、なぜかスライドストップがガンの右側に付いているというモデルです。
 SP44/16
SP44/16
 このモデルはその数字が示すように16発入るダブルカラム・マガジンのモデルでマガジンセフティーは構造上省かれていてその代わりにセフティーをかけるとハンマーをデコッキングする構造になっているようです。
 SP47/8


SP47/8
P210になる前の初期のモデルがこのSP47/8で1947年に発表され1948年にスイス軍に採用されました。 シリアルナンバーは6029から7030で1000丁が作られました。 それらは軍や警察、民間にも販売されました。
 P210−1


P210−1A
 1957年からP210という名前に変更されたP210の最初のモデルがこれでP210−1にはP210−1A(ARMY)とP210−1P(PRIVATE)の2種類あり、Aは軍用、Pは民間に販売されてそれぞれのシリアルナンバーの前にAとPの文字が付きます。 Aのモデルはシリアル#100001〜#103200までが前期、シリアル#103201〜#107210が後期で前期のP210−1Aにはハンマーのハーフコックがありません。 スライドストップはチェッカー、口径は9mmパラべラム。 Pモデルは9mmと30ルガーがあり、スライドストップはセレーション、ハンマーのハーフコック有りです。


P210−1P
 P210−2


P210−2A
 セカンドモデルのP210−2にもAモデルとPモデルが存在します。 スイス軍用と言えばほとんどがこのP210−2Aで艶消しのマット・フィニッシュでフレームはどちらかというとグレーに近い感じで2トーン、スライドストップはチェッカーではなくセレーション、セフティーレバーにもセレーション、ウッドグリップやチェッカーのスライドストップのモデルも存在します。 Aモデルは9mmパラべラム、Pモデルには9mmと30ルガーがあります。 オランダ軍に採用されたM49はP210−2Aと同じ仕様です。


P210−2Aのウッドグリップモデル


P210−2P市販モデル


オランダ軍用 M49
 P210−3


P210−3
 スイス警察に納入されたP210−3は仕様はP210−1と同じですが、試作にあったローディング・インジケーターがスライドのトップに付いています。 シリアル#8001〜#8900が警察に、#79931〜#79950が民間に販売されました。 つまり全部で920丁しか存在しません! ハンマーのハーフコックは無し、口径は9mmと30ルガーです。


P210−3にはローディング・インジケーターが付いています!
 P210−4


P210−4 ランヤードリングがありません!
 ドイツの国境警備隊に納入されたバージョン! P210−2Aと同じ仕様ですが、ローディング・インジケーターが付いていて、ランヤードリングが無い仕様です。 シリアル#D0001〜#D5020で最初の500丁はウッドグリップ付き、ハンマーのハーフコックは有りで9mmパラべラム。


ローディング・インジケーターが付いています。
 P210−5


P210−5
  このモデルはごらんのとおりスポーツモデルでロングバレルと標準バレルが付いて、フレームはスライドと同じ幅のヘビーフレーム、アジャスタブルサイトととりがーのアジャスト・スクリューがビーバーテールの下側に追加されています。 以後のモデルにはこのスクリューが標準になります。 口径は9mmと30ルガー。


アジャストスクリューが付きます!
 P210−6


P210−6
 これはP210−5と同じ仕様で標準のバレル、フレームは通常の物とヘビーフレームとがあります。 口径は9mmと30ルガー。
 P210−7


P210−7
 こちらはスペシャル・スライド・アッセンブリーの22LRモデルでハンマーもモディファイされているようです。 フレームはP210−5〜6と同じで9mmのコンバージョン・スライドを載せることも可能です。
 P210−8


P210−8
 このモデルになってマガジン・レリース・ボタンがトリガーガードの付け根に移動されました。 フレームはP210−5と同じヘビーフレームで口径は9mmパラべラム。 たったの250丁だけ製造され、そのうちの200丁がアラブ王室のオフィサーに贈られたそうです。
 P210−9


P210−9
 これが今の現行モデル! SIGのホームページに出ているモデルです。 ヘビーフレームで最初のモデルに比べてかなりゴツくなっていますね!(笑)
 その他にも50周年記念モデル、エングローブ・モデル、レジェンド・モデルなどたくさんの派生モデルが存在するようです。 (きりがないのでここまで!笑)


50周年モデル、MADLAXモデル?(笑)
 やっと本題?!
 P210というガンはモデルガンでは知ってはいたもののイチロー氏が実銃を紹介するまではこんなガンもあるのだな!という程度でした。 イチロー氏が紹介したSIG P210は知っていたP210とは全く違うものに見えたのです。 ポリッシュされたブルーのガンに鮮やかな色の木製グリップ! そしてブルーの中に銀色に光るトリガーとスライドストップとハンマー! 奇麗なガンだと心に残りました。 しかしハンドガンのロールスロイスだと言われるだけあってここアメリカでもガンショップやガンショーでもまずお目にかかることは有りません! アメリカでも憧れのガンであることには変わりないのです。
 親友からのメール!?
 ある日私の親友から知り合いのガン・オークション会社からSIG P210の売りが2丁あるけど買わないか?と聞いてきてるけど興味あるか?というメールがありました。 その2丁はオークションには出さず普通に販売するとの事でした。 1丁はP210−1でもう1丁はP210−2でした。 どちらも軍用でオリジナルホルスター付きでした。 相場よりは安い値段でしたが、とても手が出る値段ではなかったのでその場は辞退したのです。 そのP210はオークション会社がスイスから24丁輸入してあと2丁残っているという事なのでした。
オークション会社からメールで送られてきた2丁の写真!
 それから何か月か経った年末、 ボーナスをもらって気が大きくなっていた私は例のP210の事を思い出し、友人にまだあのP210はあるか聞いてほしいとメールしました!(笑) その返事はまだ2丁あるという事でしたが、この週末にそのどちらかを買いたいという人がいるというのです。 私は買うならきれいにポリッシュされたブルーでウッドグリップの付いたP210−1と思っていたので、その人がどちらを買うのか興味津々でした。 そして週明けにもらったメールにはその人はP210−2を選んだとありました。 それではとそのP210−1を見せてもらいに行ったわけです。


ガンオークションのショールーム! ここは宝の山です!
 そのオークション会社はショールームがあって次のオークションに出すガンをそこで展示しています。 その中にはP210−5やP210−6が展示してあってかなり珍しいものもたくさん置いてあるのです。 さっそく最後の1丁のP210を見せてもらうことに! 出てきたP210はグリップのフロントストラップ部分のブルーが所々剥げていました。 どうもそれで売れ残ったようです。 しかし全体的にはそれほど傷もなくかなり程度のよいものでした。 まず驚くのはそのスライドを引いた時、スルッと何の抵抗もなくスライドが下がるのです。 ガラスの上を滑ると言いますか、シルクのようなと言いますかなんとも表現が難しいのですけどたとえて言うならよくカスタムされた1911のスライドを引いた時のようなひじょうにスムースな感覚なのです。 普通の軍用銃なのにカスタムガン並みの精度でスイス時計のような精密な造りという表現は間違いないと感じました。 実はそこに展示してあるP210−5などを触らせてもらったのですがP210−1に比べるとスライドを引いた感じが少し劣るように感じました。 それでも他のガンに比べると段違いなのですけどね! 
1度にこんなにP210を見たのは初めてです!
 私はもう舞い上がって、しかし顔では平静を保ってその場で即決!買いますと言ってしまいました。(笑) 友人の紹介なので割引値段からさらに$200.00もまけてくれました。 それでも今までの人生で一番高いガンを買う事となったのです。 あ、これはもちろん買ったことは内緒ですので!(爆) このガンは預かっているという事になっていますのでくれぐれも口外しないように!(笑)


スライドを引いたところ


かなりスマートなガンです!


スライドとフレームの刻印


トリガーガード付け根の刻印


リヤサイトとスイスのマーク


フロントサイト


軽量化されているハンマー


フルコックのハンマー
 やはり自分としてはポリマーフレームのガンよりはスチールフレーム、中でもコーティングではなくガンブルーのかかったガンが好物なのです。 それでもこのガンは自分の手で触って初めて出来のよさに感動するという事がわかりました。 CZ75のショート・フレームもそうですが、市販のガンでこんなにスムースなものはほとんどありません。 1911A1も買ってすぐスライドを引いたらジャリジャリ、ガッチャンという感じで今でこそセミ・カスタムのような1911が多いですが、アメリカ製のガンは何千発も撃ってからやっとあたりがついてスムースになってくるというのが普通なのですよ。 


マグキャッチ


マガジンボトム


上の方に窪みがあるマガジン


銃口部分


エジェクションポートの形は独特です!


かなり薄いスライド
 アメリカへ来て初めて買ったコルトの1911A1もはなから手を加えるという前提で買ったので最初からカスタムしなければまともに動かないというハドソンのモデルガン的発想でいじってました!(ハドソンのはいじっても中々作動しないと言うのが定説ですが!爆) すみません、話がはずれました!


一緒に付いてきたホルスター


マグポーチ付きです。


背面の刻印


フラップの裏側のスイスのマーク


フラップ付きの軍用ホルスター
 なんだかんだと言ってもこのガンは手に取って眺めているだけで至福の時を与えてくれます。 実射の様子はガンプロのホームページの「動画一覧」の所にありますので! 短いですがP210が動いている様子が見れますのでよかったら見てやってください!

                            P210の動画!

 分解!
 分解はスライドを5mmほど引くとスライドストップが引き抜ける場所があります。 引き抜いてスライドを前に抜きスライドからリコイル・スプリングを取り出します。 スプリングはガイドロッドとセットになっていてスプリングの紛失を防いでいます。 バレルはそのまま出てきます。 ハンマー・グループはフレームから一体となってそのまま取り出せます。 このデザインはM1935Aからのものでシアの形などそっくりです。 


スライドの切り欠き


スプリングとガイドロッド


ハンマー部分


エジェクターはハンマーユニットの一部


ハンマーユニット


グリップの裏にシリアルナンバー
 P210にはマガジンセフティーが付いていてフレームの右側に付いている1枚のスプリングの板がその役目をしています。 その板の突起がトリガー・バーを下に押し下げてシアーにかからなくしています。  マガジンを差し込むとその突起を押し込み、トリガー・バーが上にあたってシアに当たるようになるわけです。 で、このトリガーバーはディスコネクターも兼ねていてスライドが全部戻らないうちはスライドで押し下げられていて、全部戻るとスライドの下面に設けてある窪みでトリガーバーが上に上がりシアを押せるようになるのです。


シンプルな構造のマガジンセフティー


マガジンで出っ張りを押し込む
 セフティーレバーは直接トリガーバーをロックするだけの役割です。 モデルによってはハーフコックがないモデルもありますが、このP210−1はハーフコックが有ります。 しかしハンマーを下してもファイヤリング・ピンはプライマーに届かないようになっていて1911と同じ仕組みになっています。 同じと言えばファイアリング・ピンも1911同様の同じデザインで後ろのプレートで押さえてあります。


スライドの窪みにトリガーバーが入る


1911とそっくりなデザイン


バレルのシリアルナンバー


ライフリング、 上手く写らん!(笑)


セフティーレバー


マグキャッチは挟んであるだけ!


バラせるところまでバラしてみました!


分解図で大体の仕組みはわかると思います。
 スイス製9mmパラべラム!
 「これは正にこのP210の為に作られた弾なのだよ!」とこのガンを買ったオークション会社の展示をガンショーで見つけて挨拶しに行ったらスイス製9mmパラを見せてくれてそう言われたのでつい買ってしまいました!(爆) スイスは永世中立国であるとともに国民全員が有事にはすぐ戦えるように徴兵義務があり家には常にSIGのアサルトライフルが置いてあるのだとか? きっと弾薬もちゃんと供給されているのだろうなと思いながらこの9mmパラを眺めていました。(笑)


中には24発X5=120発


銀色のジャケット!


マガジンには8発!


エジェクションポートからブレット!
 MGC & CAW P210
 実は昨年、日本に帰国した際に私の為にオフ会を東京と大阪で開いていただいたのですが、大阪のオフ会でモデルガンのP210と実銃のP210を比べてみたいものだと話したらその幹事を務めていただいている友人がなんとCAWのP210を貸してくれたのです。 そのおかげでこのレポートを書いているのです。 


CAWとのツーショット


フレームの長さの違い


マガジンサイズとマグキャッチ


ハンマーのサイズの違い
 さて、こうやって2丁を並べてみると結構違うものですね! まずはMGCのP210は実銃に比べてけっこうガッチリしていることです。 スライドの幅や上下のサイズも一回り大きく感じます。 もう休刊になってしまいましたがGUN MAGAZINEでタニコバさんが書かれていた連載記事の中で初めてのプラのブローバックの機種選定のことが書かれていて型から出しても反りにくく強度の保てる機種選定でこのP210が選ばれたと書かれていました。 やはり少し丈夫に作らなければならなかったのだと思います。 それはエジェクションポートを見るとわかります。 スライドの厚さをかなり取ってあります。 それにエジェクション・ポートが実銃よりかなり大きいのはフルサイズのカートがエジェクションできる様に大きくしてあるのでしょう。 実銃のスライドはグリップに比べてかなりスマートで細い印象を受けます。


エジェクションポート


リヤサイト


スライドの厚さ


けっこう違っていました!
 よく話題になる(?)マガジンキャッチは実銃は鉄板を曲げただけのものでスプリングもそのテンションだけでマガジンを押さえています。 フレームの長さやハンマーの違いなどは写真で比べていますので参考にしてください。 かなり印象の違うMGCのP210ですが私にとっては初めてブローバックを撃った思い出深いモデルです。(しかし友人の!爆) モデルガンの歴史の中では重要なモデルですね!


箱に入れてみました!(笑)
 そう言えばイチロー氏のP210とスライドストップが違うなあと買ったときに思っていたのですが、あらためてイチロー氏のP210を見るとシリアルナンバーがPから始まる市販モデルだったのですね。 今更になって納得した私なのでした。(笑) 作動はスムース、精度はいいし撃っても全く調子のよいガンです。 何よりガンブルーの美しさと形の美しさは眺めているだけで私はOKです!(笑)


イチロー氏のP210は民間市販モデルでした!
 あ、一つだけ難があるとすれば私の様にハイ・グリップで撃つ方はグラブをすることをお勧めします。 つまりノーマルな1911A1でハンマー・バイトを経験したことのある人はこのガンでもなりますので!(笑)



                                            8/27/2015
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