Peko's Gun Box
The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata)
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 THE GETAWAY (1972)
 マックィーンが使う1911!
 今回の映画は、お題をいただいたGETAWAY(1972)を取り上げてみたいと思います。 取り上げるといっても「気になる映画の中のガン」ですのでここでは登場するガンについて見ていきますね。 この映画は皆さんもちろんご存知のスティーブ・マックィーンの代表作です。 いまさら私が語るまでもなくこの映画ではマックィーンはコルトの45オートを使いますが、発砲シーンでは9mmのスター・オートを使っていたと言うのは有名な話です。 それと、店からかっぱらったハイスタンダードのポンプ・ショットガンでの発砲シーンは当時話題になりましたね。 今回はもう正体がわかっているのですが(汗)それを確かめてみたいと思います。


最初に出てくる1911、ランヤード・リングが付いているでしょう?


実際にマックィーンが使用したコルト1911!
 まず、マックィーンが演じるマッコイが使う45オートですが、これはコルトの1911で1911A1ではありません。 しかしながらスライドの刻印は1911A1のコマーシャル・モデル(市販モデル)の刻印なのでたぶん1911のフレームに1911A1のスライドを組んだムービースペシャルではないでしょうか? グリップもダブルダイヤモンドではなくフルチェッカーですしね! 発砲しないシーンはこのガンが使われましたが冒頭のポスターの写真のものはまた違うようですね。(ポスターの1911はランヤード・リングがないですしミリタリー・ガバの1911A1プラ・グリップが付いているようです。) 多分その後、他の映画にも使われたのだと思いますが左の写真を見るとブルーをかけなおしてあるようですね。


ブルーに輝く1911!
 しかし、当時の映画のパンフレットの表紙になったマックィーンの写真にはズボンのベルトに突っ込んだ45オート(だと思っていた?)にはスライドに露出型のエキストラクターがはっきり見えていてコルトの45オートではないのがすぐわかりました。 これはスター・モデルB 9mmオートで、当時のプロップ・ガンはどうも45オートより9mmのほうが調子が良く、同じガンでも9mmのほうをよく使っていたようです。 見た目はほとんどわからないですからね。 たとえば同じペキンパー監督のザ・ワイルド・バンチ(1969)。 西部劇に45オートが出てきたこの映画(設定は1912年)、じつはウィルアム・ホールデンが使ったガンはスター・モデルBの9mmオートだったのです。 最近では(あまり最近でもないか? え?もう20年も前?)ザ・アンタッチャブル(1987)でケビン・コスナーが使ったのは1911A1でしたが発砲シーンではスター・モデルBの9mmが使われたのですよ!


当時の映画のパンフレットの表紙


こちらはポスターの写真、エキストラクターが見えます!


スター・モデル B 9mm オート


フィールド・ストリッピング!
 マックィーンのガバが最初に発射されるシーンは仲間だったルディーを射殺した(と思った)時ですが、このシーンを見るとやはり銃口が少し小さく見えるのと一瞬だけ映るグリップのシェイプ、それに妙に長いハンマー・スパーとビーバー・テールでスターとわかります。 マックィーンはここでの発砲シーンで独特の反動を再現していましたね。


妙に長いハンマー・スパーとビーバー・テール?


銃口は45ではなく9mmに見えますね。


この写真をソフトを使って明るくするとトリガーの上にかろうじてピンが少し見えます。
メインスプリング・ハウジングのピンが無いようですし、スライドとグリップのバランスから見てもスターのようです。
 その後、ちょくちょく出てくるのはコルトの45オートです。 最後にルディーを撃つ時になってまたスターの登場となりますが、画像からはちょっと判断しづらいですね。 しかし銃口は少し小さいように見えました。


これは45口径の1911ですね!


エキストラクターは見えません。


最後にルディーを撃った後に見える銃口は9mmのようですね。
 ハイスタンダード・ショットガン!


実際に映画で使われたシリアルナンバー E98 のハイスタンダード・モデル K−1200 ショットガン!
 さて、マックィーンが使うショットガンですが、これはハイスタンダード社のモデルK−1200ポンプ・アクション・ショットガンで、ウェブでも紹介されているのでまず間違いないと思うのですが、このショットガンを調べていくうちにK−1200というショットガンと映画で使われたショットガンとは少し違うことがわかってきました。 マガジン・チューブをバレルに固定する仕方がK−1200ではウィンチェスターの97ショットガンのように両側から挟みこむような形で固定されるのが本当なのです。 マックィーンの使ったショットガンはマガジンの先端をバレルに固定するタイプで、「これは一体なんじゃいな?」と調べてみるとどうも同じハイスタンダード社の FLITE KING というシリーズの K−120 というショットガン・バレルが同じもののようなのです。 K−1200 と K−120 のパーツ表を載せますのでちょっと比べてみてください。 

 サム・ネイルになっていますのでクリックすると拡大されます。
K−1200のパーツ表
K−120のパーツ表
 少し見づらいですが、マックィーンの使ったショットガンのフォア・エンドはライアット・モデルのもので、その他のモデルはみんなフォア・エンドとストックにチェッカーが入ったものです。 K−1200 のマガジン・チューブは1種類しかなく6発マガジンで、K−120 には6発用と7発用のバレルとマガジン・チューブがあります。 映画で使われたショットガンはマガジンが銃口まで伸びた長いもので7発用だと思われます。 7発用は18インチ・バレルしかなく、しかもライフル・サイト付きとなると MODEL K−120 RIOT Model 18インチ・バレル 7ショットになるわけで、K−1200 と K−120 は機関部がまったく同じなので、機関部は K−1200 でそれに K−120 の18インチ7ショットのライアット・モデルのバレルとマガジン・チューブを付けたものということになるのでは? というのが私の結論ですが、いかがなものでしょうか?


なんとも銃の使い方がマックィーンは様になっていますね!
 パイソン&トルーパー!


コルト・パイソン 6インチ・モデル!
 この映画では、はずすことの出来ないコルト・パイソン6インチ!(笑)

 ルディーが使うこのガンはアップのシーンで美しいセカンド・モデルのグリップが付いているのが確認できます。 ところが最後のほうのホテルでのシーンで支配人を脅す時になってトルーパー6インチに化けてしまいます。 そしてマッコイを襲おうとドアの外で待っているところを後ろからマッコイに殴り倒され、マッコイがそのガンを拾うとまたパイソンに戻ってしまいます。 マッコイは弾を抜いて床へ捨てていくのですが、ルディーが気が付いてそれを拾うとまたまたとルーパーに化けてしまうというガン・フリークにはちょっと気になる展開なのですが、当時の映画にはよくあることのようで、まあそれを暴くのも楽しみの1つなのですよ!(笑)


最初はパイソン6インチ!


美しいセカンド・モデルのグリップ!


ここでいきなりコルト・トルーパー6インチに変身!


しかし、マッコイが取り上げるとパイソンに!


が、ルディーが床から拾うとトルーパー?!


結局 トルーパーでマッコイ達を狙います!
 その他のガン!
 アリ・マックグロウが使うガンはコルトの1908ポケット・ハンマーレスのようですね。 依頼主のボスを射殺してしまいますが、そのあと装弾不良でスライドが不完全閉鎖しています! その他70年代映画には欠かせないS&WのM75やミリポリ、トルーパーにハイパワーと色々楽しませてくれた映画ですね!


コルト 1908 ポケット・ハンマーレス! スライドが閉鎖不良だあ!


Smith & Wesson M76 マシンガン!


トルーパーとミリポリ!


ハイパワーを抜こうとしている相手を制するマッコイ! エキストラクターがかすかに見えているのがわかりますか?


私は手をかざしてルディーを撃とうとするこのシーンがなぜか一番心に残っています!
 P.S.1
 今回はちょっと参りました! 正体がわかっていると思っていたハイスタンダードのショットガン、ハイスタンダード社は1921年の発足したのですが1984年の1月にクローズしてしまいました。 その後ハイスタンダード・マニュファクチャリング・カンパニー・インクとして1993年に1部のオリジナル製造機を使って22口径ピストルの製造を始めました。 ショットガンは以前の会社のものなので調べるのに苦労しました。 FLITE KINGシリーズのポンプ・アクション・ショットガンは1960年から1966年まで製造が続けられたのですが、ライアット・ショットガン・モデルは18インチと20インチのバレルで公用向けに1975年まで製造を続けられたようです。 FLITE KINGのショットガンは数え切れないぐらいの種類、組み合わせがあったみたいで何とか探し当てたのですけどいかがでしたでしょうか?

 次回はこれもリクエストのあった Out for Justice(1991)あたりを行ってみたいと思います。


                                                     9/19/2007

 P.S.2   K−1200のショットガンについて
 この記事を見てくださった方からK−1200のショットガンにもK−120と同じバレルのモデルがありますよ!と写真付きでご指摘をいただきました。 たしかにK−1200にもマックィーンが使ったものと同じバレルのモデルが存在するようです。 これはもう調べようが無いのですが、映画に使われたショットガンのフロントサイトはランプの土台が付いたビードのフロントサイトなのですが通常ブラスのビードだけのものとライフルサイトのものしか確認出来ず、これも謎なのです。 


 結局、今回も解明できなかったという事でしょうか? (><;


                                                     9/23/2007

 P.S.3  ゲッタウェイのショットガンの正体!
 ゲッタウェイの映画で使われたショットガンの正体がわかりました! こちらの記事もご覧ください!

 Gun Boxのページ
            HIGH STANDARD Model K-1200

            http://www.pekosgunbox.net/Gunbox/K-1200.html


                                                     2/22/2009



 GETAWAY (1994)


チャンバーの前側が斜めに削ってありますね!
 1911A1セミ・カスタム?
 さて、せっかくなのでリメイク版のゲッタウェイも少し見ていきましょう! この映画、オリジナルとほとんどというかまったく同じ映画なのですが、出来は最悪だったですね!(笑) 

 映画の冒頭から出てくるSIG226の射撃シーン。 チャンバーの前側が斜めに削ってありブランク仕様だとわかります。 おまけに最終弾のケースがチャンバーに残り、ブランクの先が開いていたのが見えていましたね。


ブランク・ケースが引っかかっています!


コルト・シリーズ70ゴールドカップ・ナショナルマッチ!
 そしてキム・ベージンジャーが使うコルト・シリーズ70 ・ゴールドカップ・ナショナルマッチ・ニッケル・プレート。 コマンダー・ハンマーでロング・ホールになっていてビーバー・テールのグリップセフティーが付いています。

 マッコイ役のアレック・ボールドウィンはこれも1911A1ですが、フレームはステンレス製でロング・ホールのコマンダー・ハンマーにビーバー・テール、ストレートのメインスプリング・ハウジングに黒いプラのロング・トリガーと言う仕様からフレーム部分は後期型のマークIV シリーズ80ガバメント・モデルのようですが、スライドはシリーズ80のゴールドカップのようです。(リヤ・サイトがイライヤソンに見えます!) バレルとバレル・ブッシングが白く光って見えるので多分ステンレス・バレルとブッシングを突っ込んであるのでしょう。


フレームはハード・クロームがかかってるのかと
思ったのですが、、、。


色合いからしてステンレスのように見えます!



スライドはゴールドカップ! 多分コルト純正ラバー・グリップ!
 やっぱりパイソン?!
 ルディーが使うガンはやはりコルト・パイソンですが、ニッケル・メッキのかかった2.5インチでグリップはグリーンの色が入ったサービス・サイズのパール・グリップでしたね。 相棒のジャクソンが使うガンは最近ではあまり出てこなくなったブローニング・ハイパワーでした。


ニッケル・プレートのパイソンにグリーンのパール・グリップ!


夜のシーンはあまり無いのに光るガンが多いなあ!


最近は出番の少ないハイパワー!
 ベネリM3
 マッコイはやはりショットガンを奪うのですが、ここでは現代版らしベネリM3を選びます。 しかしオリジナル版を意識してかマッコイはポンプで射撃するのです。 ご存知のとおりM3はオートでも作動するのですが最後のホテルのシーンで3連射するまでずっとポンプを使って射撃するのでした!


なぜかポンプで射撃するマッコイ!


ピストル・グリップ付きベネリM3!


ここでやっとオートで3連射します!
 ビアンキ・X−2100
 マックィーンのマッコイはホルスターを使わずベルトに45オートを挟んでいたのがカッコ良かったですが、アレック・ボールドウィンはショルダー・ホルスターを使っていました。 このショルダー、ビアンキのX−2100というのは私も持っているのでわかるのですが、よく見るとリヤ・サイトをかわす穴が開いているのとトリガー・ガードを押さえるストラップが付いていることからリボルバー用だということがわかります。 というか、45オートを4インチ・リボルバー用ショルダーに突っ込んでいたのですが、皆さん気が付きましたか?(笑)


リヤ・サイト用の穴が開いています。


サイトの位置が全然穴と合わんだろう?
 


ここまでまねしなくてもいいと思うのですけどねえ!


マックィーンはやはりカッコいいですね!
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