アルフォンソのカスタム・ホルスター・ショップ! |
今度、LAに行った際にはどうしても行きたい所があり、今回行く時間ができたので住所を頼りに行ってきました。 それはバーバンクという所にあるアルフォンソ・オブ・ハリウッド・レザーカンパニーと言って1960年代からホルスターを作っている店です。 なぜ行きたかったかと言うと、以前から映画「HEAT」でアル・パチーノの使ったコルト1991A1のオフィサーズ・モデルを入れていたパドル・ホルスターがここの物によく似ていた為、それを確かめたくて行ったのでした。 |

アル・パチーノが使うパドル・ホルスター! |

実際に映画で使われた1991A1オフィサーズ・モデル |
そんなに大きくない店舗の中に入ると壁一面にウェスタン・リグが所狭しと掛けられ、カウンターの後ろにはかなりの数のありとあらゆるタイプのコンシールド・キャリー用やポリス用デューティー・ホルスターがぎっしりと置いてありました。 店の奥には店の4倍以上はあるであろうワーク・ショップが見えていました。 奥から出てきたのはオーナーのオマー・ピネダ氏で、彼に持参した写真を見せて聞いてみた所、一目見て「これはうちのではないよ。 それにこれはたぶん映画用に作られたプロップ・ホルスターだと思うよ!」 と言うことでした。
プロップ・ホルスターというのは映画やTVの為に見栄えよく作ってあるホルスターのことで実際に使うとなると使いづらいものや安全性に欠けるものだそうです。 |
パドル・ホルスターを実際に出してきて説明してくれたのですが、パチーノのホルスターはパドルがガンに比べて長く、ヤキ・スライド・ホルスターのようにホルスター部分が短かくサム・ブレイクの無いホルスターでベルト・ループも付いています。 ホルスター自体はテンション・スクリューで締めつけてガンを保持するようになっていました。 アルフォンソではもう30年以上も前からテンション・スクリューは使わなくなったそうです。 それは毎日実銃をキャリーする人ならみんな知っていることでスクリューはだんだん緩んでくるんですよ。 最近のヘックス・スクリューはもっと良くなってはいますが、それでもやはり緩んでくるそうです。 カイデックスだと大丈夫かもしれませんが革だとだんだん皮がなじんできてゆるくなってくるそうです。 アルフォンソではホルスターの中にスティールのフレームを入れてストラップが無いモデルでも軽くテンションをかけるとともにインサイドパンツにしても型が崩れないようにしているそうです。 それにパドルは背の高い人には長い物を、低い人には短いものでないとやはり着け心地が悪いので長さの違う物を用意しているそうです。 やはり人それぞれ用途も違うし体格も違うわけで買いに来てくれた人の要求を満たそうとする姿勢は私はひじょうに気に入りました。 |
これは本当の話だそうですが、FBI、CIA、それにペンタゴン(アメリカ国防省)などから問い合わせがあり、映画で使われたようなアップサイドダウンのショルダー・ホルスターのオーダーがあったそうです。 しかし最近はリボルバーではなく、1911系のキャリーが多いのでバレルを脇に向けてコック・アンド・ロックでキャリーするのは危険性が高く、あれは映画やTVなどの為の物で実用性がないと丁重にお断りしたそうですよ。(笑) 確かサファリランドなどのアップ・サイド・ダウンのホルスターも安全性の面から製造中止になったと聞いています。 注文をもらえばかなりの数が出ると思いますが、それをけっても自分の考えを通すこのこだわりが好きですね! アメリカですからもし事故が起こった場合、必ず訴訟になりますので、その配慮もあるのだと思います。 |
話しをうかがったオマール・ピネダ氏はアルフォンソ・ピネダ氏の息子さんで1995年にお父さんが亡くなった後を引き継いで経営されていて、今回色々な話を聞かしてもらいました。 アルフォンソ・オブ・ハリウッド・レザーカンパニーと言うのは1960年代のウェスタン物のTVシリーズや映画で使われたホルスターを手がけたのです。 そして60〜70年代のクライム・ドラマ(刑事物)のホルスターのほとんどを手がけたそうです。 逃亡者、アイ・スパイ、アンタッチャブルなど懐かしい名前がたくさん出てきました。 |
そういうわけで今回、自分用に1つアルパチーノ・タイプ(?)のパドル・ホルスターを特注して作ってもらうことにしました。 オマール氏は「作ってもいいけどこのホルスターとまったく同じ物は作らない。 色やデザインは変えてもホルスターの中にプレートを入れてうちのスタイルのホルスターなら作ってもいいよ! この写真の物と同じものが欲しいならあなたは来る所を間違っているよ! ホルスターのデザインも安全性を1番に考えなくてはならないからね!」 とおっしゃっていました。 |
007のショルダー・ホルスター! |
店には他のお客さんからの注文でなんとあの007のホルスターのレプリカがありました! もちろんショーン・コネリーが初期の作品で使ったPPKを入れるホルスターです。 あのブルーのキャンバス地に革のホルスターが縫い付けてあるやつです! オマール氏は大の007ファンだそうで、欲しい方は私が代わりにオーダーして差し上げますのでファン・トイ・ボックス・ショップの方でメールしてくださいね! |
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パドル・ホルスターはオフィサーズACP用を元にパドルもステッチも全部黒にしてもらい銃口部分はできるだけ短く、サムブレイクを無しにしてもらうよう頼みました。 出来上がりまで4週間だそうで、できましたらGoodsのページで紹介したいと思います。
12/1/2008 |
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