Peko's Gun Box
The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata)
Front page Movie Goods From Magazine Others Links Contact
Winchester M1887 Shotgun
 世界初の多弾数、連発式ショットガン!
 さて、今回のガンボックスのネタは何にしようかなと考えていたら、今までほとんどハンドガンばかりなので長物にしようかなと思い、やっぱり今回も映画と引っ掛けて書くべ!と言うわけでウィンチェスターのM1887ショットガンを紹介しようと思います。 

 M1897ショットガンはわりと有名なのですが、M1887というとどんなショットガンかぜんぜんピンと来ない人が多かったと思います。 しかし、あの「ターミネーター2」(1991)でシュワルツネッガーが使ったショットガンと言うと 「ああ!あのレバー・アクションの?」 とすぐわかるほど有名になったショットガンですね。


ウィンチェスター・モデル1887ショットガン


フレームの左側


右側には何も刻印は無し


Winchester Repeating Arms Co. のマーク!


レバーの下に隠れている刻印!


12ゲージの刻印


レバーを操作するとこんな感じ!
 それまでのショットガンは水平2連が主流で2発しか装填できなかったショットガンですが、レバー・アクション・ライフルの成功に気をよくしたウィンチェスターが、あのジョン・ブローニングに設計を頼んで作ったレバー・アクション・ショットガンなのです。 装弾数5発+薬室に1発の6発のファイヤー・パワーは、なかなかのセールス・ポイントでした。 初めての多弾数、連発ショットガンとなったわけです。 12ゲージと10ゲージ口径のモデルがあったのですが、18887年当時はまだブラック・パウダー(黒色火薬)の時代で1890年代から出始めたスモークレス・パウダー(無煙火薬)を使うには強度的に少し無理がありました。 ジョン・ブローニングが設計したポンプ・アクションのショットガンはスモークレス・パウダーでも問題がなく、1893年に出たポンプのショットガンはその後改良されてM1897ショットガンになるわけですが、レバー・アクションの栄光にこだわったウィンチェスターは19世紀最後の年の1900年までM1887ショットガンを作り続けました。 そして1901年にスモークレス・パウダーでも大丈夫なようにフレームを強化したM1901のレバー・アクション・ショットガンを出していますが、これは10ゲージだけで12ゲージ・モデルを作るには至りませんでした。 それはM1897ショットガンの大人気でレバー・アクションのショットガンにはもう見切りをつけたからと思われます。 M1901も1920年までで製造中止になりました。


レバー操作した時のブリーチ・フェイス


ハンマー・コックの状態!


マガジン・チューブとバレルの取り付け部分


装弾は上から行ないます。
 M1887ショットガンと言えばターミネーター2!?
 M87ショットガンを出したなら、T2のショットガンに触れないわけには行きません!(笑) T2のショットガンは映画を見てのとおり2種類のM1887ショットガンが使われました。 1つはローズ・ボックス・モデルと言われる物です。 前後をソウド・オフしてトリガー・ガードの1部を切り取ってある物で、最初の酒場のシーンでオヤジから取り上げ、ショッピング・モールでバラの箱に入れて持ち歩いていたシーンや警察の精神病棟へサラを助けに行く時もこのモデルでした。 


バラの箱からおもむろに取り出す!


トリガー・ガードが切り取ってあります。


精神病院でもこのモデルですね!
 もう1つは、バイクの上で片手でレバーを操作できるようにループ・レバーを大きくしたモデルで、指を挟まないように(?)もしくは安定してまわせるようにプラスチックのカバーがグリップを包み込むような形でレバーにつけられています。 


実際に映画で使われたループ・レバーの大きい方のモデル!


ループ・レバーが大きいのがわかります!


実はレバーにカバーがついていたのです!
 これらの他にラバー・ガンももちろん作られたのですが、マガジン・チューブのバレルへの取り付け方が少し違うのでM1901ではないか?とか M1887の10ゲージ・モデルではないか?と言う説もあります。


左がローズボックス・モデル、右はバイク用モデル、真ん中はラバーガンです。


マルシンのM1887と比べてみました!


ハンマーの形が少し違っています。


マガジン・チューブの取り付け部分の違い!


下側の比較!
 第三のT2ショットガン?


左右張り合わせの本体!
 ところが以前にルーカス・フランシス・スタジオというウェブ・サイトでT2のショットガンが紹介されていたのですが、それは実銃プロップではなく銃口からブタン・ガス噴出し、それに点火して炎を出すと言うまったく別のシステムの安全性を重視したプロップ・ガンで、あのショッピング・モールの裏の通路のシーンで使われたと言うのです。 そう!コンバット・マガジン誌でコラムを書かれている小峰氏が出演しているシーンです。 しかしこの構造では空薬莢は出ないわけですが、このシーンでは確かに青いシェル・ケースが出ているのでちゃんと実銃プロップが使われているようです。 このモナカ構造のT2ショットガンは、たぶんどこかのシーンで使われているかもしれませんが、それがどこかは残念ながら確認できませんでした。


レバーを操作しても中身がない?


スパークをとばす部分とガスの出口!


しかし、このシーンではちゃんと薬莢が出ているので実銃のプロップが使われているはずです。
 デトニクス・カスタム!


サラが使うデトニクス・カスタム!
T2と言えばデトニクス・カスタム!(笑)ここまでT2に触れたのでやっぱりサラのデトニクス・カスタムにも少し触れておきますね。
 後半のサイバー・ダイン社のダイソンの家を襲撃する時から出てくるサラの使う911カスタムは見てのとおりおなじみのデトニクス・コンバット・マスターのスライドが乗っています。 このガンについてウェブで調べてみると、このガンはデトニクス社自身がカスタムしたもので、ステンブリッジ社から依頼を受けて製作したものです。 デトニクス・スコア・マスターのフレームにコンバット・マスターのスライドを乗せ、見た目はロング・スライドのように見えますが、銃口部分は別でウェイトになっているようです。 アンビ・セフティーはJOHN MASEN COMPANY のショートタイプで普通のスパー・ハンマーにグリップはまだメダリオンがついていないパックマイヤーのラバーグリップのようです。


特徴的なリヤ・サイト部分!


ハンマーは通常のタイプです。


トリガーの先端は別部品?


スライドは途中までなのがここでわかります。
 当時デトニクス社で働いていた人によりますと、ステンブリッジ社からの依頼でこのガンを製作してから1年後にT2が公開されるまでどんな映画に使われるかぜんぜん知らなかったそうです。
 ターミネーターの1911!


こちらもハンマーはノーマル・タイプ


45オートに見えますが実は9mmオート!
 もう1つ、冒頭の酒場のシーンでシュワルツネッガーが服といっしょに奪い取る1911オートですが、これはコルト・コンバット・エリートとして紹介している人もいますが実際はこのガンもデトニクス社でサラのガンといっしょに製作されたようです。 


ビーバー・テールが付いています!


特徴的なアンビ・セフティー!


スライドにシリーズ’70の刻印が見えます。


カスタム・メイド・デトニクス・スコアマスター(ブルー・コルト・スライド)
9mm オート・ピストル・ウィズ・パックマイヤー・グリップ
2丁目はダメージを受けて廃棄したとあります。
 デトニクス・スコアマスターのフレームにコルトのシリーズ70のブルーのスライドを乗せてあり、グリップはパックマイヤー、メインスプリング・ハウジングもパックマイヤーの黒いゴムがかぶっているやつのようです。 こちらもアンビ・セフティーで JOHN MASEN のショート・タイプ、グリップ・セフティーも同社の物のようです。 ステンブリッジ社の控えも残っていて2丁あったうちの1丁は壊れて廃棄されたようですね。 ご覧のとおり、このガンは9mm仕様です。 たぶんサラのカスタムも9mm仕様でフレーム部分もこれとほとんど同じ仕様だと思われます。


ジョン・メイセンのカタログから。 #4551のアンビセフティーと思われます。たぶん#4541のグリップ・セフティーも!


よく見ると9mmブランク!
 サラを助けに行く時に警察病院のゲートで1911のマガジンを奪うのですが、よく見るとマガジンに縦のリブが入っていて9mmのブランクが入っているようです。 そして助けた後、T−1000に追いかけられている時に車の中でジョンがサラにマガジンを渡す時はちゃんと9mm用マガジンが確認できます。


メインスプリング・ハウジングが黒いのが見えます!


9mmマガジンだとわかるシーン!
 おまけです!


おなじみの小峰氏!


妙にリアルな92Fで遊ぶ子供たち!


12ゲージブランクが撃てる様にアダプターが入っている?


実際に映画で使われたグレネード・ランチャー

このシーでは腕が4本あるのに気が付きましたか?(笑)
続きはOTHERSのページの RUNAWAY(1984)とT2のデトニクス・カスタム!




 今回も大幅に話しがそれたM1887ショットガンのレポート、いかがでしたでしょうか?(笑)



 じつはアメリカでは今年に入ってこのT2の続きの話になる TERMINATOR : The Sarah Connor Chronicle と言うテレビ・シリーズが、FOX系列で放映されています。 女性のターミネーターがジョンとサラを守ると言う設定でけっこう面白いのです。 日本ではまだ放映されていないと思いますが、放映されたらぜひ見てくださいね!

   http://www.fox.com/TERMINATOR/






                      4/15/2008
Gun Board に書き込む          メールを送る         Gun Box トップに戻る
Peko's Gun Box
The difference between men and boys is the price of their toys. (by Ichiro Nagata)
Front page Movie Goods From Magazine Others Links Contact
(C) 2006-2007 Peko's Gun Box All Rights Reserved